今年はいち早く、夏がやってきました。長い期間暑くなりそうです。中医学の観点から申し上げますと、暑いという異常気象による影響について、六淫があります。これは具体的には、風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つの邪気を指し、外感病の発病因子のことであります。こうした外部のことは、内部のことで左右されます。内部とは心(意識)のことであり、感情が揺れ動き、心が乱れたとき。身体のバランスが崩れて、免疫力が下がりやすくなります。ですからどんな気象であっても、心を落ち着かせておかなければなりません。心が静まりますと、涼しく感じられます。

家の私の部屋はエアコンも扇風機もありません。ここ最近の気温上昇の中、暑い日に部屋に入ったとき、まるでサウナに入ったかと思うほどに感じます。しかし落ち着いいて、しばらく経つと暑くなくなります。サウナのようだと言いましたが、実際にはサウナはもっと高温ですから、それと比べたら低いです。サウナは湿度も高く、密閉された空間ですから空気も悪く、においもあり、とても良い環境とは言えません。しかしサウナに入って熱射病になったという話はあまり聞きません。外の場合、室内とは違い、空気も流れており、悪くないのに多くの人が熱射病や熱中病になるのでしょうか?もちろん基の人数の違いがあるでしょうが、サウナに入れば、健康になるとか美容に良い、ダイエットに良いという効果がありますから、入っていても自分も良い状態に変わると思っています。そのためお金を払ってでも入り、汗も描き、気持ちよくなります。そうした思いであるため、悪い状態になりにくいでしょう。その点、外の場合は猛暑になるようなときは、こぞってマスコミが注意喚起を促します。悪いことではありませんが、多くの人は、暑くなると倒れてしまうものだと思います。熱射病や熱中症に自分もなってしまうと暗示をかけてしまいますから、ちょっとでも暑くなると、自分はだめだと感じ、精神から影響を身体に与えてしまい、免疫力を弱め、気の流れが悪くなり、悪循環により、ダメージを受けるのです。

中医学的にもう一つ言いますと、正しい気が充満していれば、百の邪気も入れないという有名な言葉があります。気の種類の中で、特に防衛という字の衛気、これは字のとおり、国を防衛省が守ると同じように、たくさんの衛気で身体を守ります。冒頭の6つの邪気から身体を守り、追い出しているのです。身体のバランスが整っていれば、暑いとか寒いという環境から身を守ってくれるのです。どうぞ皆さんは、少林寺気功を修練しながら、心をコントロールさせ、バランスを整えて衛気を強めて、この暑い夏を乗り越えていくことができるのです。そうすれば、夏を逆に楽しむことだってできるのです。