「人生において、習っているものを継続させれば
結果を出すことができる」
少林寺気功や武術の各教室の中で、説明を聞いて理解すること、また技(術)を覚えて体得してしまうことが早い人もいれば、逆に時間が掛かり遅い人もいます。しかしどちらにしても“結果を出す”人というのは、あくまでもやり続けた人であり、さらに何度も繰り返していくことで、自分のものにしています。
私は20年以上、気功や武術の教室、その他の様々なところで指導をしてきましたが、受講者を合わせれば数万人、またテレビでも教えましたから何十万人と受講した人がいるわけであります。
これまで多くの受講者を見てきましたが、中には覚えるのは早いですが、すぐやめてしまう人、また資格を取ったとたん、もう練習をしなくなってしまった人がいます。せっかく1,500年を超えて歴史が証明する素晴らしい少林寺の秘伝の数々も、結果として自分自身に役に立っておらず、何も残っていないというのはとても残念であり、実にもったいないことであります。
少林寺気功の要請コースは入門したら、最後のテストまでしっかり覚えて、練習することが大事です。2年間の動功指導員、4年間の気功師【指導員Ⅰ】、そして6年間の高級気功師【指導員Ⅱ】、さらに8年間の気功師師範【指導員Ⅲ】と少林寺気功の指導員養成コースにはありますが、これまでそれぞれの期生の人たちは、共通の心構え(なりたいイメージや目標があり、しっかり「志」を持っている)があり、最後まで継続して頑張っています。その姿は自分の目標を持ち、学び、完全に覚えていきます。しかし決して彼らが、最初から着実に進めたかというと、そういう訳ではありません。ある人は理解が遅いとか、動作も鈍く、技も見た目が良くありませんでした。それでも結果としては、最後まできちんと練習したことにより、成果につながり合格して資格を取ることも出来ました。さらにその後もちゃんと練習をしていきましたから、心身ともにどんどん良い方向へ変わっていきました。こういう方たちも、たくさんいらっしゃいます。
以上のことは“人生”も同じで、まるでマラソンをしているかのようです。短距離で走るのではなく、長い道のりでゆっくり勝負していくことです。誰もがスタート地点に立てます。そして最初の出だしが速いとか遅いなど、スタート時の速さは関係ないのです。
私たちが行う練習により、自己の「健康」を高め、また日常生活でも役に立つように意識していくことです。また「仕事」に関しても長い距離を歩んでいくように継続していくこと、さらに着実に進んでいくことが大事です。そのためには、個人の意志力や根気が重要なのです。
たとえば、雨粒のような一滴の水は、たいしたことはありません。しかし雨が続けば水面も上がり、さらに大雨になれば被害が出ることでしょう。山の斜面も雨水により、少しずつ崩れて地形も変わり、だんだん太くなり、それが大きな川へと変わっていくのです。さらにそういう川がいくつか合流して、大きな河になっていきます。たとえば、中国の揚子江や黄河にしても、始めの部分(源流)は水の滴から、長い道のりを経て、最後は雄大な大河となるのです。
それから「水」は、とても柔らかいですね。たとえ赤ちゃんが水の中に手を入れても、スゥーと水は切れます。しかし、それが流れている水となれば話が変わります。水量があればあるほど、非常に威力があり、大きなエネルギーを生みます。アメリカ最大の滝「グランドキャニオン」は、コロラド高原からコロラド川の浸食作用によって削り出された地形であり、何千年も続き、現在のすばらしい峡谷になりました。大自然の中では、このような現象はたくさん起きています。特に「水」の力によって、平地だった地形が(揚子江や黄河、またコロラド川にしても)長い年月により、侵食していき深い谷が出きるなど、地形が変わることが多いのです。
どうでしょう。この大自然で見られる「小さな力」が、時間とともに「大きな力」になるのです。私たち人間も実は同じであり、時間をかけて少しずつでも積み上げれば、いずれ大きな成果に結びつくのであります。ですから最後まで(答えを出すまで)あきらめず、継続させることが大事なのです。
またある人は、(子供みたいな性格で)その時の気分で、未知なるものにあこがれて少林寺をやり始めたと思ったら、次はヨガをやってみたり、新鮮さを求めて次は〇〇と・・・。でもしばらくしたら、それもやめてしまった!となんでも少しやったら、他のものに移ってしまう人がいます。いろいろ経験をするということは、決して悪いことではありませんが、結局どれも中途半端になり、長く続けていかなければ、深いレベルに達することはできません。そのため、その本来持っている効果も得られず、分からずじまいです。たとえば、ある方の子供の学歴についての話ですが、まず始めにアメリカの小学校を卒業して、次に日本の小学校を卒業して、続いて中国の小学校に卒業、さらにイギリスの小学校を卒業しました。合計4つの小学校を卒業したことになりますが、これでは何年もかけてもその人のレベルは小学校卒業程度ということです。しかし、もしアメリカの小学校を卒業して、次に日本の中学校を出て、中国の高校を卒業、そしてイギリスの大学、さらに大学院を出たということになれば、そこまでのレベルまで達し、多くの知識が得られることにもなります。同じ費用で年数をかけても先の話では4つの小学校卒ということですが、もう一方は大学院卒までとなりました。皆さんはこのような話を聞いて、どちらがいいかと聞かれれば、誰もが「大学院卒」と答えるでしょう。そして大学院まで行った方がいいと判断するでしょう。この例のように、あっちこっちと様々な流派に行って実践はするけれど、すぐに違うところに移ってしまうような人には、得られるものは少ないのです。
本当に習おうとするのであれば、このようなことは本人にとってマイナスでしかありません。これは仕事にも言えることです。それぞれ事情があると思いますが、頻繁にコロコロと仕事を変えてしまっては、その道の深いものを理解することが出来ず、またレベルの高い職を得られずに終わってしまいます。自分の実績を作れず、夢も実現しないままとなってしまいます。
人生を賢く生きて優れた人間と、そうでない人間の差はこういうところから、はっきりと分かれてしまいます。
自分は大人なのか?子供なのか?振り返ってみる必要があります。年齢は大人でも性格やその人の気質、また素質は未だ子供のような人がたくさんいます。
会員の皆さん!一時的な熱で冷めるのではなく、習っていることをコツコツと続けていき、どうぞ自分のものにして下さい。
そして資格を取っても、引き続き練習を欠かさず向上心を持って継続させていきましょう。更なる成果がありますから、頑張って続けましょう。
また、これから入門を希望する皆さんへ。是非、私たちの実践している少林寺気功や武術の教室に入門して、心を変えていき、人生を豊かにして頂けたらと思います。