昼食後、私たちのメンバーと観光に参加していただいた台湾の皆さん方と移動をして、台湾の先住民時代から伝わる「瑠璃の玉」の製法の紹介する施設、またその玉を作っている工房などの見学をいたしました。芸術品としても有名な瑠璃の玉作りができる体験をした人もいました。ここでは自由時間もありましたから、喫茶でコーヒーを飲んでくつろぐ人や山の景色を見たりして、(少しの時間でしたが)各々、のんびりと過ごしました。
屏東の観光を終えて、続いて皆さんと一緒に高雄へ移動しました。車での移動ですが、片道2時間以上もかかります。しかし台湾の皆さん(全員で70~80名近く)も一緒に移動してくださいました。全員が高雄へ到着し、とても有名で評判の高いレストランでの夕食となりました。私たちは明日、日本に戻りますから、全員で「さよならパーティー」をいたしました。そのレストランは、主に海鮮の料理でした。たくさん料理が並びましたが、どれも美味しいものばかりです。私の席は李会長と一緒でしたが、李会長は生まれた時からベジタリアンです。そのため李会長と一緒に食事をする時は、私もベジタリアンにして合せます。ただし、別の方との場合は普通の料理をいただきました。状況に合わせて対応いたしました。李会長との会話もはずみ、今年の9月に開催する「第五回世界少林気功武術健康大会」の話題もしました。聞いていた周りの方々も大変興味を示していただきました。なんと大会当日には、こちら(台湾)から「150名は連れていきます!」と李会長より言っていただきました。大変うれしいことです。
楽しいひとときも終わり、私たちはここ高雄市内のホテルに戻りました。もう夜9時を回り、遅い時間となっていました。一日観光もとても楽しいものでした。さらに最後に宿泊したホテルは、ゴージャスな国際観光ホテルでしたから、旅の疲れも飛んでしまいそうでした。
翌29日(台湾旅行最終日)の朝、迎えが来て、私たちメンバーは時刻通り出発いたしました。台北(桃園国際空港)に到着し、出国手続きを済ませ、たくさんのすばらしい思い出と共に成田へ出発いたしました。日本に戻り、それぞれが多くの成果があったことや素敵な出会いがあったことなどを語り合い、お皆さんと別れをして家路に着きました。
今回の旅行によって、台湾の方々と楽しく過ごし、より交流を深めることができました。また振り返ってみますと、こちらから参加したメンバー6名が今大会において、高い評価をしていただけたということは、やはり各教室の時だけではなく、日常生活の中で時間を作り、一生懸命練習をした結果だと感じます。それぞれが最大限に自分の力を発揮できるよう頑張りました。舞台の上ではたとえ1分間だとしても、そのために何年ものの積み上げが必要であり、大事かということであります。結果として、舞台の上でも堂々と演武を披露することにつながるのです。素晴らしい演武に拍手がおき、評価されるというのは、一人ひとりの努力の賜物なのです。
(今回訪れたのは台湾でしたが)台湾の方が(日本人よりも)とても穏やかで、すごく親切な人たちと印象を受けました。主に一緒いたのは“世界最大”とも言える気功組織〈生物能医学気功会〉の団体の方々ですが、彼らは毎朝夕、10万人以上の会員による同時気功を実践しています。こうして毎日多くの方が練習をしていますから、各地域において、さらにどんどん会員が増えている状況です。もちろん朝の練習は「無料」です。また各地域の指導員は、会員の方に大乗仏教の考え方などの講和をしながら指導に当たります。もちろんご自分の練習もありますから、空き地などを利用して行っています。この点は日本と少し習慣が違うところであります。(※日本の場合、ほとんど室内で行います。)
台湾の場合、朝の練習は「外(公共の場)」で実施されています。そのため周りの人に見られますから、大変興味を持たれるのです。そして皆さん毎日練習をしますから、各自の気功による効果も実感できますから、その良さが増々口コミで広まっていくのです。
また各地域のリーダーは、とても積極的に活動します。組織としても重要な役割である運営活動もしていきますので、とても組織としても心強い存在であるのです。『組織』というのは、ベースがしっかりしていても立派なものであっても、それらを支える指導者たちや会員の方々の存在と“やる気”が高まっていないと、団体としての活性化は難しくなり衰退したり、個々が負担と感じてしまうものになってしまいます。
さらに台湾でこの組織が大きく成長した理由のもう一つとして、各地域のリーダーが中高年の方々に集中していているということです(特に定年後の人たちです)。そのため時間がある人が多いのです。しかし中には仕事をしながらという人も多いと聞きます。やはり「健康」が一番ですから、まずは自らの健康のために実践し、そして楽しんで行っています。毎年、国内で大きな気功大会を3回開催しているとのことですが、各地域の方々に経理面も含めて完全に任せ、大会を運営しているとのことです。事実、会員の方はたくさんいますし、朝夕の練習でさらに増えていきます。そういう中で大会を開催しますから、やる気のある方がどんどん集まってきて、大会も盛り上がります。そのため、経費の問題も案外うまくいってしまうものだそうです。台湾では、気功の練習が習慣になっており、独特な普及のスタイルが根付いて、自然と浸透しているからこそ、このような大きな大会を実施することが可能になるのでしょう。
今回、台湾で私どもは「少林寺気功」を披露したわけでありますが、台湾で行っている皆さんの気功も実用的で良いものですから、私たちがしている少林寺気功がいいとはそこで言えません。台湾で行っている気功は一つの特徴であり、少林寺気功には少林寺の特徴があります。それぞれに実践の意味があり、文化や習慣など歴史的観点の違い、また条件などが異なるのです。ただし、気功というのは、老若男女、誰でも出来て、一緒に練習できるという点は共通していることでありまして、気功を行う上でとても重要なことであります。台湾の場合、同じ時間に一斉に会員の方が、一般大衆がいる公共の場で実践しますから、数が増えていきました。こういうやり方でなければ、誰もその気功や団体のことは知らずに終わり、組織の存在は無いでしょう。
これまでも(「今日の言葉」の中でも)お伝えしてきましたが、何事も成せるためには、水の滴一つひとつが大きな力を生むように、私たちも一つひとつの積み重ねが重要であります。台湾の場合も同じようにしてきた結果により、大きく成長したのです。会長である李さんも組織作りにも力を注ぎました。しかし、一人の人間がすべてを達成させることは難しいものです。決して組織運営のプロではありませんから、会員の方々、そして指導者になる人たちに力を借りてみんなで支え合い、作り上げていき、発展させて大きくしていきました。
さらに自分たちの仲間だけではなく、私たちにまで親切にしてくれることができたかというと、会員の皆さんが毎日気功の練習していますから、心身ともに健康で元気であるということでしょう。人の最大の幸せは“元気であること”でありますね。毎日、気功を実践して全身に気が流れていて、心身共に元気になり、明るくなっていきますから、他人に対してとても“親切になる”というのも自然なことなのです。これも“練功”のおかげによるものなのです。