去る5月28日に、中国嵩山少林寺主催による「中国 第六回仏医大会」が開催されました。今回は当協会からは、(旅行会等は実施せず)私と妻である斎藤さんの二人で参加いたしました。私たちの参加の目的として、崇山少林寺の少林薬局を復活させた禅医の釋延琳さん(崇山少林寺少林薬局局長)の応援のため、そして今大会の無事成功を願うために行ってきました。
もちろん釋延琳さんからも出場要請や講演の依頼がありましたので、快く受けました。今回は、なんと約一週間を費やした旅行となりました。この大会で斎藤さんは演武を披露いたしました(実は大会の中で演武を行ったのは、斉藤さん一人です)。
現在、当協会では9月24日(土)と25日(日)に開催予定の「第五回 世界少林寺気功武術健康大会」に向けて、日々、実行委員の方々と準備をしている真っ最中でございますが、私自身、この少林寺で行われる大会が、私たちの大会の実行委員会のメンバーと同様の気持ちになって協力及び参加をいたしました。
「少林寺」は1,500年という歴史があり、世に向けて伝えるべきことは膨大なものとしてありますが、一つ一つしっかりと伝え広めていくことも、実は一人ひとりの僧侶(人間)の“手”でやっていくことであります。そうやって理解を深めて頂くということをしていかなければ、何も残らないのです。これまで少林寺の歴代のお坊さんたちが、日夜頑張って伝えてきました。現代においては、さらに在家や弟子の薬局の皆さんなどが、頑張って伝え広めていかなければ、外部(世)へ伝わらないことでしょう。こういうことも私自身、理解をしまして、少林寺の一員として同じ気持ちになって行動しました。
(今、実行委員会の皆さんは交通費をかけ、多大なる労力で時間も要しながらも頑張って頂いております。)今回、私と斎藤さんで少林寺に行きましたが、当然交通費等自らで負担いたしました。これは「大乗仏教の教え」に則った行動であります。自分だけではなく、大勢の人たちが努力して実行委員会を進めているのですから、同様に私たちも努力しなければならないのです。
5月24日(火)に東京成田空港から出発いたしました。今では少林寺に行くのに中国内で飛行機の乗り換えをせず、直行便でその近くまでいくことができます。今年の8月に予定しています「認定旅行」は、この便で行くことにしています。ですから初めて乗る直行便は、認定旅行のための確認の意味もありました。ただ、この便は週3回のみのフライトですから、今大会より早めに現地に着くことになります。その週の木曜日に出発でも良かったのですが、実は釋延琳さんより、少林寺で私に『内増法』を教えてほしいと頼まれていました。そのため、24日に出発し、25日から少林寺の修業僧の方々(在家弟子のクラス、お坊さん、また一般の方も含めて)『少林寺内壮功』を教えました。今回、教えたのは主に二つです。一つは『少林寺内壮功』の実技として、(私たちが教室で練習している)少林寺気功の「四段功」です。これは数年前にもこの少林寺で指導したことがありますが、今のクラスは人が全く替わりましたから、「四段功」を教えました。もう一つは座学(座って行うクラス)で、健康断食食療法やダイエット方法など日本からのものを合わせて紹介し、指導いたしました。この講座は5月25日(水)~27日(金)までの3日間で開催いたしました。毎回、少林寺に行きますと釋永信管長をはじめ、釋延琳さんや他のお坊さんより、とても良くして頂いていましたから、今回このように(私自身、同じ気持ちで)早く行って協力することができたので、とても良かったと思います。
5月28日(土)に「中国 第六回仏医大会」が開催されました。毎年、この大会は開催されますが、今回は「禅の健康」がテーマでありました。「禅」の方法で健康になるというものであります。これは当協会で行っているすべての教室の内容が、「禅の健康」といっても良いものです。ですからこの内容は、私たちがいつも実践していることなのです。
私の講演の内容は、「禅健康の哲学、科学的証明について」でありましたが、万全な準備をして臨みました。
大会初日の午前中に開幕式があり、続いて釋永信管長のご挨拶、また政府の役人の方々の挨拶等がありました。そして午後のプログラムで私の講演がありました。何人か後に私の講演が始まりました。約20分間の講演という時間の都合もあり、詳しい内容について述べることはできませんでしたが、内容は「禅健康の哲学、科学的証明について」の説明でしたから、専門性の高く、とても難しそうな内容であります。しかし(昔から)私は理論や研究の成果などの説明を数多くしてまいりました。今回は「禅」、「人間の心身について」、「心の力」、「肉体と意識」などを哲学的観点から、さらに宇宙科学から証明ということに絞り、研究しまとめたことを発表いたしました。
私の講演を聴いた観衆の人々は大変驚きました。その場には多くの先生方がいらっしゃったのですが、この発表の内容は、非常にレベルが高いものだという評価もいただきました。今回の内容は、既にアメリカなどでも講演会等で話をしているものでありましたから、今回の評価を頂いても、私自身、それほど驚きは感じませんでした。
翌29日(日)大会2日目、午前10時に斎藤さんの演武がありました。昨年は大勢で演武をしましたが(この大会では、これまで多くの演武がありましたが)、今回は斎藤さんの「内功拳」のみが行われました。演武は大成功に終わりました。きれいな動作でムダがなく、切れがあり、とても高い評価をいただきました。私も現在、当協会で進めている「第五回 世界少林寺気功武術健康大会」の状況説明をさせていただきました。
また釋永信管長にも何度もお会いして、日本における現況報告などをしました。少林寺の精神の深い理解がなされていることに大変お喜びになりました。また日本で武道の雑誌「月刊秘伝」の中で、管長の紹介や論文を日本語に訳し連載を進めていることについて、とても喜んでいただきました。
今回の少林寺への旅行は(これまでとは違い)、自ら宿泊ホテルの手配や武術学校と連絡などのやり取り、会員の方のための武術留学について多くの方と時間をかけて話をしてまいりました。そのため旅行中の4日間はとても充実したものでありました。
私が今回講演した論文「新気功理論」の内容に関しては、主に「目には見えない物質」について、中心的話題となりましたが、釋延琳さんや他の会場にいらっしゃった先生方は、私の発表の内容のレベルの高さに驚いて、とても高評価をいただきました。既にこの内容については、他の講演等でも発表しておりましたので、私自身は平然と述べていました。
この理論については、当協会の基礎理論の中でも教えておりますので、是非、理論にもご興味のある方は参加して頂き、お学び下さい。この理論を身につけましたら、少林寺気功を理解する上でとても役に立つものです。特に重要な理論については、ほぼ解説していきます。
なお、「新気功理論」は、精神世界の秘めたパワーについて、本質的なことも解説することができます。また目には見えない世界の未だ謎に包まれた現象などについての説明することもできます。さらに宗教におけるそのパワーについての解説もこの理論により、根本的な部分から、誰にでも分かるように説明することができます。
(これまで私は)授業における説明のしかたについて、評価されたことがありました。私の授業には有名な先生方も受講しておりますが、私の説明について大変驚いていました。深い専門性の高い理論の内容にも関わらず、その話は日常的な内容が盛り込んであり、少林寺の禅、修業体験や「気」に関することなどの話題がわかりやすく入っており、決してレベルの高い話に留まっていないということです。単に難しい単語を並べるとか、専門性のある言葉で説明していないということ、身近な話題から展開していき説明していくので、とても理解しやすいとの評価をいただいたのであります。
通常、高いレベルのものを身につけていけば、どうしてもその視線や立場から話をしてしまいがちでありますが、実際には聴衆の方と一緒に打ち解けるように、まるで一緒に溶かしていくようにすれば、自然と理解していただけます。授業や講座などで指導する際、テクニックだけでないということです。「技」の説明に関しては、必要なことは「パワー」であり、「技術」です。「禅」に関する場合であれば、「修業」のことを盛り込んで説明すれば自然と分かっていただけます。(授業に参加した有名な先生が、)私の修業による達成したレベルが高いかどうかということまで、聴いて見て、すぐ理解されたそうです。
当協会の各指導員コースの授業においても、一つは教える「技」は一生懸命練習することです。そしてもう一つは自らが(具体的に)様々な修業を行い、実感することが説明につながるため、しっかり修業することで良い結果となります。「気功の理論」と「自分の習っている技の修業による実践を通じて身につくこと」の両方のレベルを高めることが大事なのです。