現代は100を超える国々に、少林寺の文化センター(情報機関)があります。その組織のトップの先生方(お坊さん)と連絡を取り合えるようグループ化にして、繋がっています。また今年開催されました「2017首届少林无遮大会(嵩山少林寺の世界大会)」に参加した選手や団体関係者、少林寺の各流派の方々との交流も、今でも続けて意見など交換し合っています。

話をしていると、彼らが口を揃えて「秦先生から少林寺の技を教わりたい」、「気功を習いたい」と私に言います。また「なぜ、とても大事な少林寺秘伝の技を日本で教えているのか?」というような質問を、多くの方から質問されます。(だいたいはその場で曖昧に答えたり、時には丁寧に伝えていますが、)ここで日本の少林寺に関心の高い皆様や会員の方々には、改めて説明をする必要があります。

なぜ、私は日本で教えるようになったか?

第一の理由には、自然な流れにより、日本で教えるようになったものであり、これはいわゆる“縁”であります。元々、中国でもレベルの高い技術者として日本にやって来ました(この時、日本という条件がありましたので)が、その技術者の団体のトップでもありました。そんな中、日本で少林寺の技を教える機会が増えていった経緯があります。皆さん一人ひとりと出会った、“縁”です。そのため、日本で、というのは運命のようなものでした。

第二の理由として、一旦教えたら、(これは日本民族の特徴から考察できる話ですが)日本の皆さんは“継承する”ということを大事にする民族だと感じております。例えば禅宗や密教などで、または武道でも、身近なたとえで言えば、ラーメン屋さんであっても、長い年月を代々継いでいますね。そしてしっかり守っています。私の教えているものは少林寺秘伝のものであり、とても重要なものです。日本という環境の中で継承させることであり、一時的に大きなことをして終わらせるのではなく、将来的に残すことが大事なのです。

第三は、先に述べた“縁”ということです。すでに教えているわけですから、基盤ができています。他の気功師のような、決してお金のためとか重い病気を治すという道ではなく、指導者を育てることが重要なことだと思います。

長い目で見たら、実際には大変な道のりであると思います。治療をすることより、手間がかかります。しかしここまでたくさんの実力ある指導者を育ててきました。その後、その方々がどこまでレベルを上げて、世の中で活かしているのかまでは把握しきれませんが、良い種を蒔きました。これを他の国でまた一から実行するとなると大変難しいことだと思います。

以上の三つの理由により今後もしっかり指導していきたいと思います。

それでも「アメリカで行った方が、もっと発展するのでは?!」、「いやいやヨーロッパの方がもっと・・」とも言われます。さらに「中国も経済発展をしているので、中国の国内でもいいのでは?ないか?」と薦められます。

また中には、「弟子になりたい!」と申し出る武術家も現れました。

 

将来を見据えて、基盤を日本において(縁によって、指導することもあると思いますが、これまでもたくさんの中国の武術家にも断ってきました。)、やっていきたいと思います。

是非、少林寺気功に興味のある方大事にしていきたいと思います。只今、協会のHPでも案内募集をしています。日本に住んでいないので、受けたくても遠くて受けることができない人がいます。そういう人が世界中にはたくさんいるのです。