この春(2年に一度)、高級気功師及び気功師範(指導員養成コースⅡ・Ⅲ)がスタートします。本協会の気功師(指導員養成コースⅠ)の教室は大変充実していますから、多くの方々が満足している内容です。それではなぜ、その上の教室高級気功師及び気功師範(ⅡやⅢ)があるのでしょうか?
元々、この2つはありませんでした。しかし気功師(指導員養成コースⅠ)を卒業した人たち(特に各自教室で指導している方)は、教えられる内容が2年間動功を学んでも、教えられるのは基礎動功のみです。少林寺秘伝の3大動功を学びますが、動きがダイナミックなため、練習には広い場所を要してしまいます。またこれらは少林寺秘伝であり、外部の人には教えたり見せたりしてはいけません。全く誰も知らない動功です。逆に高級気功師及び気功師範(ⅡやⅢ)の内容(たとえば易筋経、洗髄経、心意把など)は広く知られている有名な気功です。誰でも知っているものを学んで、卒業したら教えることができるのです。心意把は広い場所が必要でありますが、易筋経や洗髄経は、基礎動功の四段功や少林寺養生六式のように、立っているスペースがあれば実践することができます。ただ易筋経、または洗髄経は型が多く、非常に長いのが特徴です。易筋経は九段あり、毎段に九式あります。ということは九×九で、全部で八十一式と大変多いのです。また洗髄経は六段でやはり毎段九式です。ですから、こちらは五十四式になります。さらに易筋洗髄経も同様に多くあります。次にこれらを学んでから、少林寺柔拳を学びます。これは3大動功の虎龍養生双型や羅漢神功の長さと同じです。
高級気功師(Ⅱ)を学んで卒業すれば、以上の易筋経や洗髄経、易筋洗髄経、また少林寺柔拳を各自教室で指導することができるのです。(※ただし心意把は3大動功と同様に少林寺秘伝のものですから、指導等はできません。)その他の学んだものも、もちろん指導できるのです。また自分の練習のために行うということも大事なことです。一つひとつ全く違う特徴を持っているものなので、いろいろ実践をして、レベルアップにはとても良いのです。人それぞれ特徴があります。ですから、自分に合った気功というものもあるでしょう。そのためには幅広く練習していくことによって、上達を早くさせることも可能になり、効果があるのです。
また各自教室で教える内容(Ⅱで学んだもの)としては、大変充実した中身となります。ですから、学んだものは通常5~6年(ゆっくりであれば、7~8年位かかります)かけて指導を行うことができるのです。
これまで卒業した先輩方の要望、そしてもっと指導したいという気持ちから、高級気功師(指導員養成コースⅡ)が始まりました。さらにもっと深いレベルがほしいという願いから、気功師範(指導員養成コースⅢ)も始まったのです。
元々、洗髄功とは大昔から少林寺において、内面を鍛えるものとして有名であり、歴史の中で多くの物語が生まれました。時の皇帝まで我が身の延命のため(生きたいという願いから)、少林寺にわざわざやってきてお願いして、洗髄功を学んだり、武術家の人たちは易筋経や洗髄経を手に入れれば、自己のレベルアップにつながりますから、中国国内にこのことが広まり、まるで奪い合いをするかのように、多くの武術家が命をかけて手に入れようとしました。こういう話は映画にもなったり、TVドラマでもあったりして話題も絶えないほどです。また心意把は、少林寺の中でも最高の秘伝、そして武術にとっても秘伝と言われます。なぜ“最高”とまで言われるかというと、一つのポーズが全ての武術のノウハウや秘密は、そこに全て入っているからです。
世界中の武術や武道には、そういうもの(一つのポーズで全ての武術の型に入るというもの)はありません。これは非常に面白く、興味深いものであります。
今回、雑紙秘伝(BABジャパン)の3月号にも、この心意把が巻頭特集として掲載されます。是非、皆さんもこれを読んで頂き、少林寺秘伝のものを人生に活用して役立ててください。
気功師(指導員養成コースⅠ)を卒業した方は、4月からスタートしますので、お待ちしております。