「全日本少林寺気功協会は4月から各養成コースとも新期生を迎えます」

 

 この4月に本協会の気功師(または国際医療気功師)養成コース、高級気功師(または国際医療高級気功師)養成コース、さらに気功師師範(または国際医療気功師師範)養成コースとも新期生を迎えます。

 気功師養成コースは4年間の受講いたしますが、それを終了しますと続いて高級気功師(または国際医療高級気功師)養成コースにレベルアップすることができます。当初、私自身は気功師(旧指導員Ⅰ)養成コースの後、さらに上のコースを指導していこうとは考えておりませんでした。ある卒業生はご自分の第二の人生として、指導員として活動し始めました。しかし基礎気功を指導するだけでは教える内容にも限りがあります。2年間も続けたら、教えることが無くなってしまい、生徒も続けなくなります。そのため卒業生から教える内容を増やしてほしいとの要望があって、新しいコースが増えました。最初に学ぶ指導員Ⅰの内容は、嵩山少林寺の教えるもの(三大動功や静功のレベルアップにしても)は、自己の実力を上げるものの訓練として大変役立つものです。しかし一般の人にはよく分からない内容でもあります。当然、嵩山少林寺の管長からの系列のお坊さんしか教えられないものもあります。そのため、嵩山少林寺内でも詳しく知っているお坊さんは少ないのです。

 高級気功師(旧指導員Ⅱ)養成コースは先ほどの理由(指導できる内容が少ない)から、指導員が活動しやすいように、教える内容を増やしました。それらは多くの人が知っている易筋経や洗髄経、また心意把などは1000年以上中国で伝わってきたものです。昔は武術家、または長生きしたいと望む皇帝まで、それらを手に入れたくて、争いが起きたほどだったのです。そうしたものを習得することができることは、更なる実力を上げることができ、指導員として活動する人にとっても、生徒も興味を示し、長く指導もできるようになりました。

 実は本協会の会員の中には、何十年も気功を指導している先生もいます。また中国武術、あるいは他の流派の教師などレベルの高い人達がいます。こうした分野の方たちは、特に易筋経や洗髄経、また心意把を学べることに大変驚きます。これは嵩山少林寺のお坊さんでさえ、驚くほどです。以前、私は嵩山少林寺薬局のお坊さんにも教えたことがあります。さらに認定旅行のたびに、嵩山少林寺内でも周辺の武術学校の校長からも同様に驚かれるほどです。そうした理由からも、世界で唯一、日本(東京)で学べるというのは、とても恵まれたことでもあると思います。

現在は気功師(または国際医療気功師)養成コースが修了し、高級気功師(または国際医療高級気功師)養成コースにステップする時期です。これまで旧指導員Ⅰを卒業した人も含め、是非、指導内容を増やすために、また自己のレベルを上げるためにもご検討ください。

 少林寺気功の練習は、種類が豊富で方法がたくさんありますが、体力の強弱でなくできます。個人差はありますから、誰でも実践することができるという特長があります。中にはある方法(技)により、非常に心身に受けやすく、すぐ深いところに入りやすい方もおります。これは20数年間という長い間、多くの会員の方を指導してきたことによる実感です。そのため本協会ではレベルアップするためには種類を増やす必要がありました。さらに93種類の静功のレベルアップを四年間で習得し、動功も指導員Ⅰと指導員Ⅱでそれぞれ2年間です。静功や理論(外気治療含む)もそれぞれ4年間です。これらすべてが4年間ですから、バランス的にもちょうど良いのであります 様々な面からの高いレベルで受講でき、誰でも取得できるので、実力のレベルが高くなります。これは、たとえば2+2=4というものではなく、2+2=10かもしれません。いや、40かもしれません。そのように相乗のプラス効果があるのです。私はこれまで、会員の方々を実際に見てきて感じたことです。

さらに高級気功師/国際医療気功師養成コースの上の気功師師範/国際医療気功師師範(旧指導員Ⅲ)養成コースがあります(2年間)。この内容の特徴は、修行(訓練)の主なものとして柔拳Ⅱや観音掌があります。どちらも動作が多く、とても長いものです。易筋経や洗髄経、また柔拳Ⅰなど指導員Ⅱで取得するものの長さは中くらいです。(さらに中国四大気功は短いほうです。)そのため長いものは習得氣していないのです。しかし指導員Ⅲの内容は、まるでピラミッドの頂点であり、そこに登るようなものですから、動作も特別な方法になり、多くの技を練習することになります。柔拳Ⅱは柔拳Ⅰより、3倍ぐらいの長さにもなります。また動作も肘から先の動き(手首、指先など)も数多くあります。

しかしその練習は、体力がそれまで以上に必要だとか、飛んだり走ったりというような体力任せではありません。もし誰でも練習したらできるようになります。修行を積み重ねればレベルアップしていくのです。心身にとって効果的なものであり、健康のためにも身体づくりのためにも大変意味のあるものなのです。当初、この気功師師範コースをまとめる時、私と嵩山少林寺の釋永信管長は、そのところを考慮して作り上げました。今までの経験として、 少林寺気功の練習を続けていけば、どんどんその効果は表れて、実際に良い状態に変わっています。

現在は、特に新型コロナウイルス感染拡大で疲弊している時期であり、世界中(日本も含めて)で、人類すべてがしっかり心身を高め、健康づくりをしていかなければなりません。今は「健康」を意識することが非常に重要な時であります。それを担う人は大事な立場になるでしょう。少林寺気功を練習して継続すれば、明るい将来があります。それは自分の心身のレベルアップだけでなく、身の周りにいる大勢の人々にも指導して広めていけることができ、それを自分の仕事になれば、増々世の中に役立つものとなり、多くの人の心身健康作りとなるでしょう。

本協会でのみ受講できる「少林寺気功」は、世界大会を何度も開催するほどのブランド品でもありますから、是非、卒業した皆さん、そして現在の在期生の皆さんも、今以上にレベルアップして頂き、こうした厳しい状況にある世界で活躍できるようにしてほしいと思います。

 

 

レベルアップ指導員養成コースを受講して感じたこと(体験談)

             会員 M   職業 ヨガ指導師

 

◆指導員Ⅱ(現 高級気功師/国際医療高級気功師)養成コース

 

 私は本協会の事務、そしてヨガの指導をしていますが、元々少林寺気功を学ぶきっかけは、①“氣”を深めたい②少林寺気功の実践、指導をして多くの人にその良さを知ってもらいたいということ、そして多くの人々に役立てもらうことが主な理由でありました。そのため、入門してから探求心を持ち、深く掘り下げられるところまで学びたいと思っていました。

 指導員Ⅱ養成コースは、魅力のある充実した内容(動功が満載)2年間であります。まず達磨大師が伝えたとされる少林寺内功心法の易筋経洗髄経があり、次に少林寺伝統の功夫の型を表現しながら「健康」と結びつけた柔拳Ⅰ、そして少林寺門外不出の(世界で唯一、少林寺秘伝法をここだけで教わることが出来る)心意把を習得することができます。さらに中国でもポピュラーで誰でも知っている四大気功やその他の型もあり、とてもバリエーションも豊富で楽しく、また探求心を持って受講できるものであります。一般には、これら中国四大気功をどこかで習う機会があると思いますが、実際にはその形や動作、ただ名称を覚えたという程度でしょう。健康に良いと聞かされても、何がどう良いのか分からいまま終わりだったのでないでしょうか。なぜ全日本少林寺気功協会では、指導員Ⅰ(現気功師/国際医療気功師)養成コースで、基礎・秘伝の三大動功、静功、理論等を教え、レベルアップのコースにおいて、誰でも知っている気功がズラリとあるということは、しっかり心(精神)と体(肉体)で理解を深め、長い時間をかけて理と技を習得し気功の真髄に入ることが大事で、バリエーションを増やし、さらに自己を高めることができるようになっていると思います。

 習得する技が多くなればなるほど、当然「気づき」も多くなります。ここで重要なのは、この素晴らしい養成コースのシステムから脱線することなく、修練することだと感じます。なかには、ある程度覚えたら自分だけでしようと思うかもしれませんが、それでは独自のやり方に変化してしまい、だんだん学ぶ本質から離れてしまうものになってしまいます。ですから、必ず師からの誘導が大事になります。また欲が出てしまって、どこかで新たに入門を繰り返しても、それはゼロからの始まりであり、ただ浅く理解をして終わりとなってしまうのです。腰をしっかりと据え、どんと構えて少林寺気功を練習し習得して、どうなりたいのかはっきりさせること、そして何度も繰り返し実践していくこと、これが大切なのであります。一つひとつの気づきから、単に型を覚えることが目的ではなく、秘伝の要素が生き方そのものに影響を与え、自分を変えることが重要であるということが分かってくるはずです。 

次に指導について、少林寺気功の様々な型を覚えたからとか、出来るようになったから指導できるものではありません。また理論を学んだから教えられるものでもありません。自分自身が少林寺気功によって変わっていかなければいけません。基本的に気功の動作は簡単であります。しかしその動作を何年も繰り返し実践しても、新たな気づきがある場合もあるのです。それが自己のレベルアップにつながります。より深い探求心を持って修行しているからこそ、自己が変化し開花していけることなのです。私たちは現代日本での暮らしをして様々な刺激を受け、生きています。そのような環境の中で、「少林寺気功」というもの、中国という異文化、歴史のあるもの、目に見えぬ氣というものの理解し、体得すること・・。一度耳にしたからといって、到底理解はできないことのほうが多いはずです。何度も師からの言葉の中のエッセンスを聴いて最初は理解できなくても、練習に励み、受講を重ね、何度も話を聴いているうちに、ハッと気づき、視界が一気に広がることが多々あります。石に一滴一滴としずくが垂れ、その石の形を変えてしまうように、時間をかけて自分を変えていかなければならないのです。そのため(指導員Ⅰでは)時間をかけて基礎、三大動功、静功、理論と学び、理解を深めます。そして指導員Ⅱによって、自分を根本的に変えていけるようにしなければならないのだと思います。継続したことで、いざという時に平常心でいることができ、どんなことにも動じない不動心を築き上げることができるようになるのです。

 より多くの型を師から学ぶことの大切さ、土台となる指導員Ⅰの練習での気づき、探求心を持って掘り下げて自分を変えることが大事です。さらに指導員Ⅱの学びも実際にはまだ途中段階でしかないのだと肝に銘じ、さらに精進を続け、より自己の開花を目指していくことであります。

 

 

◆指導員Ⅲ(現 気功師師範/国際医療気功師師範)養成コース

 

 例えばピアノを演奏して人を魅了させたいと思ったら、バイエルだけ習得してもコンサートは開催できないでしょう。演奏で人の心を動かすには、魅了する曲を華麗に弾かなければ感動を与えることはできないのです。同じように、自分の健康のためでも人のためでも真剣に少林寺気功に取り組み、バリエーションを増やして心身に刺激を与えなければ、自分を変えることはできず、指導することはできないないでしょう。

 指導員Ⅱの上にあるレベルアップする養成コースとして、指導員Ⅲがあります。指導員Ⅱを終えた段階で、ようやく見えてくることがあります。少林寺気功を受講して6年間(私の場合、3年目で指導員Ⅱを受講しましたので、4年間でしたが、)様々な少林寺気功の型の練習によって、また(動功指導員という段階から指導をしていますが、)少林寺気功の指導していく中でも多くの気づきがあり、視野が広がりました。継続して実践していったからこそ、自己の生き方が自然と変わっていき、正しい方向へ歩み始めているのでした。

指導員Ⅲでは、決してバリエーションが増えること、そしてできたことの達成感や自己満足ではなく、より深みのある動功を習得する過程において、心身のバランスを整え、自然と一体となっていくものだと感じます。初期の段階から、イメージ、呼吸、そして動作を一つにと教わっていました。そのことの理解はしていても、実際に一つになっているかというと難しく、簡単なことではありません。それが指導員Ⅲの段階でようやく実感として分かってきました。

 指導員Ⅲで動功を2年間行いますが、主なものとして指導員Ⅱで習得する柔拳Ⅰよりも型が多く、動作が実用的な柔拳Ⅱ、心身の健康にとっても効果的な観音掌、そして様々な病気に対応するための少林寺気功の型(40種)、その他であります。ここで幅が広くなり、なぜ病気になるのか、そしてどうしたら改善、回復する(させる)ことができるのか、その導きができるようになります。受講し感じたことは、例えば40種類の病気への対応について言えることは、ここまで総合的にバランスよく受講し、心身のバランスを動功と静功で整えてきたため、ある症状にはその動作がなぜ良いのかということが理解できたのだと思います。

 より充実した内容により、氣を深めて自分を変えることができたのも、指導員Ⅰから指導員Ⅲまでの6年間の受講した賜物であります。

 ヨガの指導師でもある私は、ただストレッチ感覚のものはヨガとは認識しておらず、そうしたものを教えたいとは思っていません。ヨガも少林寺気功も氣を高め、自己を変えることができることが何よりも重要であり、より良い人生を歩んでほしいと願い、指導にあたりたいと思っています。現代はヨガを指導している方々が多いですが、氣を理解し、氣を高めることを指導している方は少ないと感じます。私は本物を目指し、しっかり氣を高めることを指導していきたいと思っています。今、自分を活かしているのは少林寺気功のおかげであります。

 人生はするかしないかですが、もし今、少林寺気功が自分にとって必要だと認識したのであれば、最後の最後まで追求していくべきだと思います。もちろん卒業したら終わりではありません。チャンスはその時だけです。健康第一であることは誰でも分かっていますが、どうしても優先順位を下げてしまいます。それは後で・・という機会はありません。特にレベルアップしたいと望むのであれば、滞りなく、継続していくべきだと思います。