全日本少林寺気功協会は、「少林寺気功」を教えていますが、指導員育成には武術や禅のことも一緒に行います。もし、習う上で最も重要なことは何か?と聞かれれば、(これは少林寺が伝えるものを、修業を通じて、より効果が上げる観点から話しますと、)技を完璧に覚えるとか、他の人に綺麗に見せるということではなく、自己の日常生活に取り入れられること、また仕事などにも取り入れ、役立つことができるようにすることです。この“役に立つ”というのは、少しでもいいのです。

このことが最も重要なことです。

そのために当協会では、動功や静功種類(方法)は多くあります。動功も簡単なものからレベルの高い難しい動作のものもあります。こうした方法を一つひとつ身に付けるために習います。そして継続して訓練していく訳でありますが、実際にはそれぞれ事情も異なります。たとえば動功は運動の要素を含みますが、上手な人もいれば下手な人もいます。また得意不得意、経験の有無なども人それぞれ違うでしょう。

年齢も性別も様々です。練習で一番大事なことは、自分感覚です。他人が見て綺麗かどうかということではなく、自分が実践して、終わった時に「あぁ、スッキリした!」と感じたり、気持ち良かったと思えることが大事なのです。

そのため行っている自分自身に、あまり負担をかけないことです。まるで別の仕事に取りかかるようにしたり、心身共に疲れるほど行ったりする必要はないのです。

なお「少林寺気功」は、常に実践することが大事です。ただ仕事を持っていれば、毎日実践するのは難しいでしょう。まずは気楽に空いている時間で行うということが大切です。

少しずつ練習し、進めても良いでしょう。一人ひとりの願い(夢)があると思います。そして少林寺気功を始めた時も、目標や夢があって始めたと思います。すぐに効果として表れた人もいれば、まだ夢が叶っていない人もいるでしょう。

まずは一歩一歩、少しずつでもやり続けることが大事です。

結果というのは、後で自然と表れてきます。

多くの人は練習をせずに、その結果のことばかり、ぐるぐる頭の中で回っています。それでは自分の負担になり、ストレスになってしまいます。さらに新しい悩みとなってしまいます。これでは良くありません。考えるより、行動することです。行動すれば、結果は自然と出ます。これが少林寺気功や武術の修業によって、成果として表れます。実行するということは、そんなに難しいことではないのです。