少林寺気功指導員コースも、19954月に第1期生から始まりまして、現在は(この4月から)第38期生がスタートしています。この第38期生の中には、今年130日のNHK〈武井壮氏 少林寺修業の旅〉番組の放映を見て、その影響を受けて入会したという方も多く、少林寺での修業のすごさから、とても真剣に教室で受けています。また他の期生の受講生の先輩たちも、頑張って成果を出しています。第35期の皆さんも「虎龍双型養生功」の試験を合格いたしました。また第36期の方々も「鶴功三十六式」の試験を、全員無事合格いたしました。

 さらに気功師コースの指導員Ⅱ及びⅢの皆さんも、それぞれ授業を進めています。指導員Ⅱは「少林寺易筋洗髄功」のうち、“立つ・坐る”の後、少林柔拳(移動しながら行う、やさしい少林拳のようなもの)に入っています。このⅡの受講生の中には、元々運動が不得意な人もいましたが、この少林柔拳が始まりましたら、とても興味深々になり、今まで以上に身体が伸び伸びと動きました。誰でも、このように途中から急に動きが良くなったり、活き活きとしたり、またやりやすいようになったりすることがあります。全日本少林寺気功協会の受講できる内容はたくさん種類があり、システムが確立しているという点は、他には類はない、とても素晴らしい特長です。質の高さはもちろん、量が多いということで、一人ひとりの個性に合わせて、できるように用意されています。たとえば食べ物に関しても、ある人は“寿司”が好き、またある人は“天ぷら”が好き、さらに“チャーハン”、“カレー”・・・と、人によって好きな食べ物が違いますね。

 少林寺の膨大な種類のシステムは、以上のようなことと同様の理由から、たくさんあるのです。(レストランに入ったら、いろんな料理があって、どれも美味しいし、あらゆる国の人の口に合うように調理されていたら、誰にでも喜ばれますし、最高のお店と言えますよね。)当協会の『瞑想(気功の静功)』でも気功の動功でも、(このレストランの例のように)豊富な種類によって、対応できるのです。

 今日、日本の様々な気功を指導している団体当の中で、当協会だけがこのように多種多様に受けることが可能なのです。私が知っている国内のほとんどの気功団体は、こちらの協会の10分の1も内容がありません。それぞれの団体の事情があるため、そういった理由は理解できます。しかし受講する方たちも目的や目標があるでしょう。当協会の会員の方は、“将来、指導員として活動していくため”、また“修業そのものが自分の仕事などに役立つことのため”という

理由で入会し、頑張っている方々であるということが挙げられます。

 

もっと重要なことは、習っている時、「気功」は見えない“気”というものを扱うわけですから、最初は興味を持って始めていても気の存在や気の流れなど信じられなかったら、気功の練習は続きません。私たちは食糧の大切さは知っています。米でも味噌でも蓄えていなければ、底がついてしまいますから毎月買って保存します。しかし気功は違います。気の大切さは理解している人にとっては、食糧を蓄えることのように身体を「気」に満ちた状態にすることが重要だと分かっています。一方で気功というものを一つの趣味として行ったり、またちょっとした興味があって実践するといった程度の人もいます。そういう人は、自分の限られた時間の中でしか練習もしないですし、あるところまでやってみて成果が現れなかったら、興味が薄れてしまうだけです。

気功の内容の深さ、そしてその素晴らしさや楽しさを味わっていただけるように、当協会では数多く用意しております。熱心に練習を続ければ、単に習ったというだけで終わるのではなく、高級気功師、または師範気功師になることも可能なのです。こちらとしても、そういう人たちのサポートや活動の場も提供できるようにしています。気功を習うコースは、指導員養成コースⅠがあり、さらに気功師コースの指導員Ⅱ・Ⅲといったシステムで構成されています。

私はたくさんの会員の方を指導し、各コースを平行して進めていますが、(これまで述べてきたように)中には指導員養成コースⅠの時、あまり慣れていない人が、指導員Ⅱの時はスムーズになって慣れて練習している方もいます。ある人は、瞑想の時、この方法は苦手だが、別の方法では自分に合っているという場合もあります。また動功も「少林柔拳」がいい、いやいや「少林寺易筋経洗髄功」が合っている、別の人は指導員Ⅲになって「少林寺観音掌」が好きといった具合です。誰にでも好き嫌い、得意不得意がありますが、そういう中で自分に合ったものが見つけられるというのが、気功を習う上で大切なことであり、一番の魅力と言えることでしょう。入ってくる生徒のために幅広く、たくさんの内容が用意されていなければ、指導者がいくら一生懸命教えても、本人は自分に合ったものを見つけ出すことが出来ないままです。実際、数が多くあることは、とても重要なのです。そういった環境で、はじめて会員の皆さんが満足できるのです。もちろん、指導者の努力も求められます。ですから教える先生たちも努力して、豊富な種類のシステムの理解が必要です。そうなれば、素晴らしい教育ができて、人を育てることができるのです。