先日、世界大会実行委員会の皆さんを招待して、お疲れ様会を開催いたしました。実行委員会の皆さんは、大会前から大変苦労して活動して頂き、成功を納めることができました。皆さんには感謝と慰労会として、たくさんの料理と飲み物で楽しんで頂きました。
約2年間、大会までの間、準備等のため、授業にも影響を与えました。しかし体を鍛えることより、心を鍛えるということは、もっと重要になります。今回、皆さんはボランティアという形を通じて、心を鍛えて頂きました。これは禅の一貫として大事なことです。
日本の文化の中、禅の修行というと、心が浄化されるとか、悟りに近く等、心の変化を期待します。
まず(禅の観点から)本当の修行を行うのであれば、(すぐ焦ってしまう、不安定になるような)悩みが多い心を落ち着かせ、静かにし、何があっても動じない心(不動心)でいることが必要です。そうして、そのような心の状態で修行していけば、「悟り」を得られるようになります。ただし、これは簡単なことではありません。心の中が動かないということは大変難しいことであります。なぜなら私たち人間も動物(身体が動くものが動物であると言うことであり、「脳」も体の一部ですから、脳も働きます)ですから、全く動かない訳にはいきません。
また修行の観点から言いますと、3段階に分けて説明か出来ます。第一段階は、多くの悩みを抱えている状態。第二段階はそれらの悩みを無くす、または心を静める状態。第三段階は現実に戻る状態です。これはどういうことか、と言いますと、戻った現実(日常生活)の中で応用して、幸せ、あるいは円満な人生を築くようになることです。
そのため、心はいつでも静かにしておくことが必要なのです。そして禅の心を修行し、その知恵で生きることが、とても重要です。他人には見えないものが、自分には見えるようになる。また理解できないことが理解できるとか、解決できないことが解決できるようになるのです。こうしたことは、心が静かになったため、自然界や周りの環境と一つになる(天人合一)からです。自己の内面だけでなく、心は外面(自然環境)と一つになるのです。これが可能になれば、(ある人は)動物と話せたり、研究者は答えが導かれたり、芸術者は作る作品の一つになり、後世に残る芸術作品を完成させたり・・。これらのことが、心を静め、天と自分を一つにさせる結果なのです。
私たち一人ひとりの仕事の中にも、同様のことが言えます。普段の仕事において、乗り越えられなかったことができるようになったというのは、心の修行のおかげです。人間誰しも、簡単に偉業を達成することは難しいことです。しかしそうしたことが普段の仕事でも可能にしてしまうのです。大きなことを達成して、成功することに結びつくのです。
私たちは、世界大会を通じて得たものを日常生活の中に活かし、乗り越えていくことを実感できれば、最高の修行だったことになります。普段の中(仕事と人生の中)、今までできなかったことが、できるようになることで、あなたを大きくして、さらに一歩一歩進んで、素晴らしい人生になることでしょう。単なる一歩ではなく、他人にはできない一歩を築けるのです。こうした修行の機会を当協会は、皆さんのために行い、一人ひとりが実践しているのです。