第五回目となる『世界少林寺気功武術健康大会』は約2年半前から準備を経て、9月24日及び25日の開催に至りました。初日は雨だったにもかかわらず、大会中は順調で、無事大成功を納めました。
今大会はこれまでの大会と比べ、大きく異なる点として感じたのが、全体的にレベルが高いということでした。来賓としてお招き致しました少林寺の釋延琳副管長、そして釋延然様(現アメリカ在住)より、少林寺の「禅」や「武」をご紹介(素晴らしい講演や演武)して頂きました。また日本の医療気功健康界や武道界からもトップクラスの先生方々、そしてイタリアやルーマニアなどの海外からも素晴らしい先生方々にもお越し頂き、レベルの高い講演や演武を披露して頂きました。更に全米武術チャンピオンの江口亮さん(当協会の会員さん)と指導員による少林寺武術の演武も大変見事でありました。当協会からも会員の方たちにも少林寺気功や武術の演武を披露して頂きました。
その他にも、人間の内面を表す少林寺秘伝七十二芸の「二指禅」の技を後藤さんに、気功の寸勁瓦割り(10枚) をIさんに、共に女性指導員による披露をして頂きました。このような技は、実に武と気の長きに渡り、鍛練して作り上げた肉体による表現でないかと思います。
以上のように、大会プログラムには多くの技術的な高いレベルの演武がありました。この幅広く、国際的な大会としての特徴の一つとして、海外からの来賓の先生方々による講演や演武、そして台湾からは団体(156名)の方々 が参加(団体としては、一番多かったのも台湾の参加者でした。)して頂き、国際色のある大変賑わいのある大会でありまた。通常、団体による海外遠征は手続きや段取り等、大変でありますが、さすが台湾の李先生の組織力を感じさせます。また当協会との調整力もあり、協力の姿勢でスムーズにして頂き、大会中も演武の応援や踊りの披露をして下さいまして、大いに盛り上げて頂きました。
ルーマニアの団体は、前回に引き続いての参加になりましたが、(前回と少し違うところは)ワークショップや演武の方法が工夫していましたし、凝っている内容であったので、非常に面白かったという印象を受けました。またイタリアやカナダも、今回は少し志向を変えて行いました講演や演武、そしてワークショップは、とても魅力ある内容でありました。
更に日本の医療方面や健康の観点より、太極拳の演武披露やヨガの体験会の楽しいワークショップもありました。今回のように、プログラムの幅広い内容は、講演や演武に限らず、ワークショップとしてもいくつもありました。様々な体験も出来る内容でありましたので、来場して下さいました方々にも楽しく参加して頂き、好評であったため、非常に良かったと思います。
さて、大会当日までの準備は、実行委員のメンバーによる細部まで議論を何度も交わし、本大会までに40回以上も実行委員会を開催していきました。そのためスタッフ同士の交流も深まり、最後は一丸となって進めていくことが出来ました。大会当日も分刻みのプログラム構成でありましたが、予定通りに進められ、大きなミスやトラブルもなく、無事に幕を閉じました。
この大会は、これまでの大会の経験の上に、幾度も全体的なものと詳細までイ
メージをして、滞りなく準備等をしてきました。当日起こりうる問題にも事前に想定して、すぐに対処できるように致しました。メインの大会は土日の2日間でありましたが、前日(金)のレセプションパーティーと、翌日(月)の茶道の会も入れたら4日間に渡る長期の催しになりましたが、最初から最後まで気を抜かず、しっかり行ったと思います。
今回、この大会に携わった皆様(実行委員のスタッフ以外の)来賓や海外からの団体の方々、また出演者、更に一般の参加者の方々も、とても楽しんで頂き、満足だったことと思います。
私自身、とても良い印象として残っています。もちろん大会関係者は、実行委員の方々だけでなく、当日のスタッフの方々(約50~60名)には、休みの日であったのにも係わらず、集まっていただいて協力して下さいました。
皆様には、このような大きな大会が開催できたことを、心より感謝申し上げます。
なお今大会の実行委員は、ほぼ協会の会員の方々でありました。元々、少林寺気功や少林寺武術の修業を通じて、「健康法」を習うために、協会の会員になられたわけですが、これもひとつの出会い(縁)であります。ですから、実行委員の方たちにとっては、一般の参加者よりも、この大会内容には刺激のあるプログラムであったと思います。大半の方は、内容に興味を持っている人たちですから、とても勉強になったことでしょう。また来賓の方や出演された先生方の技術を目の当たりすることができたことは、大変嬉しいことでありますし、喜びであったと思います。
私たちが開催した『第五回世界少林寺気功武術健康大会』というのは、このタイトルの通り、幅広い分野の内容が一つにまとまっています。私はこれまでにも多くの日本の武道大会等に参加しておりますが、大抵は自分の流派だけの開催ものであったり、毎年恒例の大会(試合や演武)等であります。勝敗を競い合い、レベルの向上、そして最後には成績の良い人には金メダル、銀・銅・・と授与、また身内同士だけの交流だったり・・・というのが、ほとんどであります。それらは、一般的に自分たちだけの専門的な内容の大会です。
それに対して、今大会は“世界大会”であります。幅広い分野(気功、武術、また養生による健康法、医療、または風水、や道教、儒教など、さらに日本の武道、古武道、中国の武術、海外の武術等々)の各々の団体は、実は“共通性”を持っており、ここに集結して、他との交流もしていけるということは、相乗効果で、その場の“氣”が高まっていき、とても素晴らしいことでありました。今、世界中を見渡しても、たった一つのところだけに集中していたり、一つのことだけで良い結果を出しているという事例はないでしょう。多くの人たちが集まり、協力してつながることが必要な時代なのです。それは「健康面」でも「武道面」でも同様であり、バラバラに存在して独立してはいけません。
ですから、(今回のような)総合的な大会が重要であり、世の中の発展のためには、益々、これらのことが自然の流れになり、主流となります。これが将来の(人間の)方向となることでしょう。今大会の意義は、そこにあるのです。
今回、日本の政府も非常に応援して頂きました。中でもスポーツ庁の後援や地元の新宿区からも後援があり、実行いたしました。
また中国からは少林寺をはじめ、友好団体(日中協会や日中友好会館等)、日本の古武道(琉球古武道等)、そして国際的に海外の先生方々、更に帯津良一先生、貴田晞照先生、下田柔心先生、松村浩道先生、小倉左羅先生、根本早苗先生といった日本の先生方々にも応援して下さいまして、もちろん、それは形だけではなく、講演等をして下さいました。中にはご自分の生徒さんを連れてきてくださったり、チケットをたくさんご購入していただいたり、非常に大会に貢献していただきました。大会の成功の裏には、多くの皆様の応援や支えがあるのです。(先にもお話しました)台湾の李先生は、団体で生徒さんを連れてきて下さり、参加して下さいました。
私たちも今回のような国際的の大会を実行するということは、非常に大変なことでありますが、将来、一人ひとり、必ず役に立つものであると思います。世界(海外)から集まって頂きました素晴らしい先生方々より、学ぶことができますし、お知り合いにもなれるということは、特に指導員コースを受講(または卒業)している方にとっては、大きな成果に結びつくことであります。
少林寺気功や武術を習うと同時に、多くの皆様の「健康」のためにも大いに貢献することにつながります。これは現代社会において、世の中から、とても必要とされ、無視できる問題ではありません。
以上のことを、もしビジネスの形でしてしまえば、それはビジネス的なものとして、成功は得られるかもしれません。しかし、人間性としての心の向上はされるかどうかは、やはり「ボランティア活動」の中から、一人ひとりの心の浄化とレベルが高くなることでしょう。
最後になりますが、ご協力して頂きました方々、団体の皆様、そして先生方には、本当に心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。
とても大変だったと思いますが、本当に素晴らしい大会となりました。
秦 西平