皆さんも観たことのある映画「少林寺」で、主人公として描かれたのが曇宗大将軍です。
13人の僧が唐の王である李世民を助けて戦った話が中心になっています。
その僧の中心となる人物が曇宗です。
映画「少林寺」は芸術的な面もあり戦う場面が多すぎますが、実際はもっと地味なことです。
少林寺の白衣殿や武術の練習の人形のある錘鼓堂の歴史の中に、13人の僧が夜の洛陽の刑務所から李世民を救い出し背中に乗せて助け出したという話があります。将来唐の皇帝となる李世民を背中におぶったのは曇宗和尚です。その後李世民が皇帝になると曇宗を大将軍にしました。
周りは敵の軍隊ばかりで自分の命も危ない中、無事に李世民を助けることができた、この曇宗とはどういう人物だったのでしょう。曇宗には、李世民の敵である王世充に恨みがありました。そして少林寺に出家して武術を身につけたのです。
曇宗はもともとは河南省の地方である洛陽にいました。家には前の周の皇帝からの宝がありました。それを狙った王世充が宝を手に入れるために曇宗のお父さんとお母さんを殺してしまったのです。そしてもともと頑丈ないい体をしていた曇宗は復讐の為に武術を身につけようと少林寺に入門します。
曇宗の顔を見た善護和尚はすぐに復讐心に気づきます。その心は曇宗にとっていい結果をもたらさないでしょう。「お父さんお母さんの復讐の為に強い腕が必要なのです。」という曇宗の話を聞いて、善護和尚は一体どのくらいの腕なのか見せて下さいと言います。その曇宗の腕前を見て善護和尚は「あなたのこのぐらいのレベルでは死に向かって行くだけです。王世充の周りには大勢の部下がいます。あなたくらいのレベルでは殺されに行くだけのことで愚かなことです。」と話しました。自分の武術のレベルはもっと必要でもうひとつはチャンスを待つことも必要でした。
それで曇宗は拝師式をして、昼間は禅を習い夜は武術を習いすごく頑張りました。もともと素質もいいですから技術はどんどん身につけていきました。そして唐の李世民を2回も助けて、敵の有名な将軍も捕まえました。最後は王世充も捕らえました。仏教の場合は、復讐は許されないですが、曇宗は最後は正義を守るために悪い者を捕まえたということです。