たと言われる伝統剣「達磨剣」を学びました。
「龍行剣」は、これよりさらに長い套路で、帰国してから少し調べたところ、龍が空を飛んで行く様を表したものという意味でこの名前がついたようです。
13歳の少年が私たちの先生でしたが、彼の表演は優美でまさに若い龍が縦横無尽に流れるように動くようでした。
私はひとつひとつの形を覚えてゆくのが精一杯でしたが、目の細かい少年たちは、剣の握り方や立ち姿、剣の回し方などをじっと見ていて「そこは違います」と、忍耐強く、そしてとても丁寧に教えてくれました。
武術学校は、小さい子供は3,4歳から入学して訓練を始め、先輩が後輩に教えることが日常茶飯なので、13歳といっても教えることに慣れている様子で、覚えの悪い私たちにも一日中、嫌がらずに教えてくれるだけでなく、覚えたと
ころまでの型を見せると「好(はお)」と言って褒めてくれる、そのしっかりした姿勢に、何度行っても感銘を受けます。
拳や剣の套路は、学校によっても先生によっても、少しづつ違います。
しかし、形は少し変化しても、1500年前からずっと変わらず流れるものは、少林武術を受け継ぐ者一人一人に流れる精神ではないかと実感しました。
このような貴重な機会を得て、短時間ではありますが、日本から留学して、脈々と流れるその精神の一端に触れた者として、受け継いだことを忘れずに鍛錬し、日々の生活にも活かしていかねばならないと改めて感じた次第です。
最期に、毎年私たちを連れて楽しい旅を実現してくださる秦先生に感謝!
日ごろの腰の痛さも忘れて、一段一段と登った達磨洞への道、きれいな空気、雄大な景色、鳥のさえずり・・・。
お線香の香りの中で達磨大師にお会い出来た様な氣がしました。
元気を貰いました。
「来年も」と目標が出来ました。
秦先生、参加した皆様、本当にありがとうございました。
2年間の集大成と言えるほどに過密に稽古を積み上げた自信はありませんが、2年間という秦先生と同期の皆さんと過ごした日々のひとつの着地点として感慨深いものがありました。
移動日では、バスで2時間半かかった記憶がありますが、帰りは30分くらいで済んだのが不思議でした。
滞在初日、少林寺館長前での演武という栄誉の記録を余すことなく撮ろうと、少ないクルーを補うためにVRカメラを用意したのですが、いい絵が撮れている反面、それを通常の編集に持ち込むのに帰国後苦労することになりました。
館長多忙につき、武僧のトップの方達に見ていただいた演武。私は秦先生の空気感をマネすることに精一杯でしたが、各人の個性が出ていた演武と思います。
館長からの賞状授与式では、式を見学している一般の方々の館長を見る畏敬の目が印象的でした。国内外の人々に広く浸透しているこの少林寺の求心力。
少林寺が世界で確固たるブランドを維持できる理由の1つと感じました。
いただいた免状は、家宝です。
食堂での食事は、僧侶の方々の日々を垣間見れて興味深かったです。
皆、伸びやかに過ごしている印象でした。
切り詰めて切り詰めて身も切れるのではないか、という位の鋭い空気感が立ち込めているかと思っておりましたが、容認こそが仏教の真髄ということを考えさせられました。
達磨洞への道のりは、いい修行となりました。
これを毎日上り下りするだけで、相当な鍛錬となりそうです。
日本でこういった到着した場所が達磨洞、のような場所があったら、結構頑張れそうなのにな、と思いました。
あの有名な達磨さん、幼い時にそれが実在した人物であると知った時に、こうして修行された場所に自分が足を運ぶなんて、全く想像もしなかったです。
そんな思いを馳せながら、感慨に耽っておりました。
洞の中での座禅は、非常に心地よく、管理の人に「皆さんの気はとても暖かい」と言っていただいたことを嬉しく思いました。
当日は少し時間を置いて参拝したのですが、その際にも覚えていてくださり、心温まる思いでした。
雲台山観光では、これぞ中国のイメージ、という大自然を満喫することができました。
前日の達磨洞での筋肉痛が残っていて大変な思いもしましたが、そんなことも忘れるほどの絶景でした。
武術学校では、翻子拳の型を教わりました。なかなかの物量で、体が疲れてくると脳も働かず苦労しましたが、何とか一日で教えてもらっておいてよかったと思います。
ちょっとの時間でも復習できるので、後半の学校で確認ができるのが良いことだと思いました。
先生役の少年たちもとても良い人たちで、秦先生の通訳と御指南もあり、有意義な時間でした。
武術学校に行った翌日は観光だったのですが、前日から少し体調を崩してしまいました。
それが響き、翌日からの二日間の武術学校のうち、最初の日を午前中だけで終わらせ、ホテルで寝込むという事態に陥りました。
体調をコントロールしきれなかったのは久しぶりでした。
自分の体力を過信せず、日々練功で体を鍛えなければ、と思いました。
今回の旅行で、我というものについて考えさせられました。
秦先生は旅に参加した人たちを楽しませるためにアレコレと気を使っておいででしたが、団体旅行は協調性が大事と再考するほどに、ツアーメンバーの中に我を張られる姿をみることが多く、毎回こうだとしましたら、秦先生も大変で
すよね、と思いました。
今回、わたくし自身の器をもっと大きくしなければ、と反省する旅でした。
いい勉強と思い出をいただき感謝しております。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。