─ 第一日目(認定式の日)記録と感想 (49期生 ポプマ智恵) ─

認定旅行一日目の早朝、ガイドの朱さんによる登封市の歴史を聞きつつ、バスで少林寺に向かいます。

方丈室前の広場で、全員が五体投地を行い、管長と武僧30名ほど、世界各地からの生徒や観光客の前で氣功の演武を行いました。

観音掌、内功拳、続いて氣功や武術を取り入れた舞が披露されます。静寂のうちにも緊張感があり、何とも特別な雰囲気です。
管長が見守られる中、無事に演武が終わり、管長の手から直接認定証を頂くことができました。
武僧たちの演武も見せていただきます。間近で見るそのパワフルさ。痛快なキレの良さ。感激です。「アーミートーフォー(阿弥陀仏)!!」の唱和に、さらに心が高揚します。

認定式の後は朱さんに敷地内を色々と案内して頂き、正しい三拝の所作も学びました。

その後、参加者が各々持参した日用品(アクセサリーや小物など)に、祈祷で氣を入れてもらうという、高層たちによる儀式に参加します。珍しい体験にワクワクする気持ちを抑え、平和な心で臨むよう務めます。
思ったより明るく、心が軽くなるようなチャントが続き、「パイ(拝)。」、「チー(起)。」の掛け声に従って、三拝を幾度も繰り返しました。

お昼食は、食堂(じきどう)にて。
僧侶たちの普段の精進料理を、一緒に頂きます。辛すぎず適度なスパイスの効いた、優しい味。パンもボリュームがありお腹は一杯に。菜食に心配していた息子(10歳)も、「美味しい!」とお代わりしました。しかし武僧もこの菜食であれだけの力が出るとは不思議です。

午後は、映画でもよく見る塔林を見学していよいよ達磨洞へ向かいます。
千段近くもある階段と坂道を、皆で励まし合い何とか登りきり、面碧九年の名高い洞窟に到着。あらかじめ録音された秦先生の指示に従い、小さな洞窟内で身を寄せ合って20分の瞑想を行うことができました。
これこそは旅のハイライトの一つです。皆で平安のうちに一つとなり、感謝と祈りを捧げました。

洞窟の外では、ご高齢の尼僧がお土産品を売っています。聞けば尼寺は山の麓。毎日この階段を上がってきてここで店をやっておられるというから驚きます。

少林寺に戻ると薬局へ。
筋肉、関節の痛みには湿布が人気です。お坊さんにお茶の効能を尋ねると「肝臓、脾臓。それによく眠れます。」とのことなので、早速皆が買い込みます。

お夕飯は滞在中の五つ星ホテルにて、メニューは秦先生へのお任せで頂きました。
菜食料理もあり、どれも美味しく、好物のサンツァイユ(酸菜魚)が出て大満足の私です。嵩山名物の介菜も、その後何度か頂きました。

秦先生、協会員の皆さん、学び多くも楽しい認定旅行をありがとうございました。
アーミートーフォー!

 

─ 2024年8月16日 少林寺認定旅行 体験談(50期生 再田昌弘) ─

認定旅行二日目は早朝から管長の前で演武。

6時から朝食バイキングを頂き6時半にはホテルを出発、皆、緊張の趣で少林寺に向かいました。

初めての方も何度も来ている人も、道中の山の風景に心奪われます。

お寺に続くゲートには警察がおり通常は車での出入りはできず歩いて向かわねばなりませんが、管長にお目見えすると言うことで特別にバスで通過、お寺の入り口の横に守衛がいるのですがそこも難なく通過し、管長へのお土産を片手にお堂の側面から入りました。

舞台の正面には交流演武を披露してくれる武僧たちが既に整列しており、私達も急いで準備をしました。

お堂の中で先生と共に管長をお迎えし礼拝、お土産も無事にお渡ししたのち、管長先生が舞台の階段上に座られるとすぐに演武の時間です。

初めは斎藤師範、宇田川師範による観音掌、管長はじっと見ておられ一言「呼吸に合わせて」とおっしゃったのが印象的でした。

続いては私も参加した内功拳の演武、最初に鶴功三十六式の動作が追加になったため冒頭で低い馬歩をキープするだけで足がガクガク言いそうになるのを堪えた後には羅漢神功の弓歩の連続、最後はまた三十六の最後の動作に戻り収式と言う形で試練の連続のような内容でしたが何とか最後まで通すことができました。

最後は宇田川師範による内功舞、柔拳の動きとダンスの融合で両手に持ったカスタネットのリズムも相まってとてもエキゾチックな雰囲気を醸し出し、管長も満面の笑みで顔を乗り出してご覧になっておられました。

武僧による演武は地尚拳と団体演武で、その本物の気迫に周りの人々も感激し拍手喝采でした。

演武の後は管長から直々に認定証をいただき一緒に記念撮影をさせていただくという光栄にあずかりました。

認定式が終わるとガイドの朱さんが本堂などを案内してくださり、達磨大師は諸仏とは違って実際に姿形を伴ってこの世界に出られた方であること、緊那羅と言う武僧が禅宗の庶民化に寄与したことなど貴重なお話を聞くことができました。また、本堂の前でお線香を上げようとしているとお坊様が来られてやり方を師範してくれました。また、秦先生からは気功教室で習った気の交流と言うことを意識すると良いとアドバイスをいただきました。

とりあえずお寺を散策した後は高僧による祈祷式が執り行われました。

協会で準備した数珠や参加者がそれぞれに用意したアクセサリーやグッズに気を入れる(開光する)という特別な催しで、僧達による読経が響く中お線香をあげたり礼拝したりと中々に忙しくも盛大な儀式でした。

その後、段位審査を受ける人たちは釈延相先生から直接武術の指導を受けました。

ランニングから始まり、馬歩、弓歩、、、と段階を追って進んでいっているはずなのですがすぐに息が切れてしまい、いかに日頃から基礎練習を怠っていたのかを痛感しました。基本的な足のステップから型の練習でも気合の出し方からして全く駄目で、先生からも「武術は遊びではない!」と叱られました。午後の練習でも私達は少林寺での練習の内容に中々ついていけず、「少林功夫はとても大切な教えで正しく使われなければならない」「体力面、精神面、技術面全てにおいて鍛え直す必要がある、明日はもっと厳しくする」と先生から言われる始末でした(お昼にいただいた精進料理が美味しかったことだけが救いでした)。

夜は宴会で秦先生から認定式に対する労いのお言葉を頂き、開光数珠の授与もありましたが明日以降の少林寺での武術練習のことを考えると心中穏やかでないと言うのが正直なところでした。