31期のKさまよりレポートです。
沢山の写真と、詳しい解説が素晴らしいですね。ありがとうございます。
中国で2014年6月までに「世界遺産名簿」に登録されたスポットは合計47箇所。
そのうち文化遺産が33箇所、自然遺産が10箇所、文化と自然の複合遺産が4箇所
あります。
世界遺産が50箇所あるイタリアに次ぎ、世界遺産名簿ランキング2位を占めています。
少林寺を初めとする登封市の観光地は、-「天地の中央」にある登封の史跡群(2010年)-
として登録されています。
8月17日はガイド朱さんの案内で、登封市内を5カ所を観光する。
1つ目は「中岳廟」で、少林寺と共に世界遺産に登録されている中国最大の道教のお寺。
入場料は40元だが、天文台50元と合わせて割引後、70元。
ひとことで言うと「中国人が大地を参拝する所」であり、2800年の古い歴史があり、
風水観に合うように造られている。天師道(宗派の1つ)の源と言われる。
現在敷地面積は約11万㎡で河南省で最大規模(少林寺は4万㎡)、保存状態も大変良い
寺廟建築で、現存する建物は清代に再建したものとのこと。
建物の数も多く荘厳。敷地は奥行があり、広大。
途中で、財物の神様へ太いお線香(10元)をあげて、真っ赤なリボン(1元)を買いバッグへ
巻きつける。
なんと!?「明代五岳真形図碑」の『拓本』の原石があった。残念なことに落書きが…
この図は日本に帰ってわかったが、 特に霊験が強く “あらゆり災禍の難を被ることがない”
と言われる図らしい。掛軸にしてもいいし、日本では手に入らず、希少価値がある!
皆さん、次回旅行の際には、ぜひ購入ご検討を!(朱さんに頼んで200元)
2つ目「天文台」も、少林寺と共に世界遺産に登録されている現存する中国最古の天文台。
「周公側影台」とその後ろには「観星台」がある。
約3000年前、周王朝の統治者周公は国都を豊かで文化の発達した洛陽に移すために、
「周公側影台」を建て、太陽の影の長さを観測し、中原一帯が天地の中心であることを
証明し、洛陽に遷都した。同時に四季の変化も検証して記録したとのこと。
「観星台」は元のフビライの時代に郭守敬によって建てられ(1276年)、「授時暦」が
制定される。現在採用されているグレゴリオ暦より300年早く制定され、グレゴリオ暦との
誤差は1年で僅か26秒というから、驚くべき正確さだ。
昼食は麺類がいいということで店に入るが、つゆものがなく焼きそばを注文。
盛りの多さに皆仰天?一人分の量はゆうに三人前!!食べきれず、皆で残してしまう。
大型トラックの運転手が通常利用している店とのことで、納得。
3つ目「嵩陽書院」も、少林寺と共に世界遺産に登録されており、北魏の時代(484年)に
建立された(少林寺より1年早い)。学問の聖地であり、仏教・道教・儒教の順に取り入れられ、後に中国四大書院(私塾)の一つとなる。入場料は80元と高めだが4つ目以降の入場料も込みらしい。
見所は樹齢4500年の柏の古木(2本)と唐の時代(744年)に刻された隷書の石碑(大唐碑)がある。
撰文は李厘甫、書者は徐浩で、高さ8mの嵩山最大の石碑とのこと。
特に、古木はシワが深く、補強が施されているが悠久の歴史が感じられ、感動した。
4つ目「嵩岳寺塔」も世界遺産に登録され、中国で現存する最古のレンガ造りの仏塔。
1500年前、北魏の時代(523年)に建立され、高さ40m、15層から成り、外は12角形、内は
8角形、ペルシャ・インド・中国などの様式が取り入れられている。当時のレンガは堅固であり、40mもの高さの塔を正確に角形で造る技術・知恵には驚かされるのもがある。
最後は、「法王寺」で後漢の時代(71年)に建立。寺の後方には唐時代の建造と伝えられる
高さ40mの十五重仏塔がそびえ立つ。
日本の僧(慈覚大師)円仁の名が刻まれた石版が埋め込まれており、遣唐使の足跡として注目を
集めたが、後世の作(模造品)である可能性などの疑問が呈されており、調査中。
唐の武帝の時に廃仏毀釈が始まり、謎が多いとのこと。
朝8:30にホテルを出発し、夕方6:30にはホテル帰着。僅か一日で充実した世界遺産巡りを体験できた。
(別途ガイド料とタクシー代は必要)