北京での研修も3日め。
毎日が濃厚過ぎて、日付感覚が狂い始めている。
屋台がいつもより混んでいるのを見て、
初めて今日が日曜日だと気がついたくらいだ。
午前中はまず前日までの復習から。
腕や脚の経絡を覚えつつ、体に位置を刻み込む。
一巡したところで、手指や腕をほぐす施術や仰向けで
上半身の経絡をほぐして行く施術を教わった。
その後は始めての座学授業。
教わっている施術を実際に治療として行う場合、
どの順番でやって行ったらいいのかなど、
しっかりと教えてもらう。
昼食をいただいたあとは、近くのデパートを散策。
売り場は広く綺麗で、日本の大型ショッピングセンターに似た印象。
お店を冷やかして歩いたり、手頃な値段のお菓子やお茶などを買い込んだ。
午後の授業の途中で、耳鳴りが取れないという方の特別治療が行われた。
ストロー状の筒を耳に差し込んで、片側に火をつけて燃やし、
伝わる熱で治療するというもの。
日本では、ロウソクを使って似たような治療をするそうだけれど、
耳の穴に溶けたロウが残ってしまうことがあるそうだ。
その点、この方法は燃えカスが落ちないように紙を敷いたりするし、
熱しか穴の中に入れないので、安全性は高い。
実際に受けた方は『温かい空気が入ってきて気持ちいい』と言っていた。
耳鳴りもいくぶん楽になるようだ。
ただ一つだけおまけがあって……。
燃え残った筒の中に、結構な量の耳垢が吸い込まれるのだ。
耳そうじをしていても出てきたと言っていたので、
普段では届かないところまで綺麗になったのだろう。
みんなの前で切り開いて見せられたので、結構恥ずかしそうだった。
夕食後、昼間出かけたデパート近くのマッサージ店で施術を受けることに。
ちょっと豪華なカラオケ店みたいな外観で、できて間もない感じのお店。
今月のキャンペーンだという、全身按摩と足裏マッサージのお得なセットを
全員お願いした。
総勢8名で入ったので、4名ずつ2部屋に案内される。
室内も豪華で、電動リクライニング式のチェアベッドが並べられ、
施術中に見られるようテレビが壁に設置されている。
ベッドサイドには軽めのお菓子とお茶。
それをいただきながら、マッサージ師をしばらく待つ。
女性のマッサージ師の方が3人入ってきた。
でも何だか格好が変。
胸元やスカートなどが妙にセクシーな感じ。
もう1人の男性マッサージ師は普通の格好だったので、内心『?』と思う。
物腰や接客態度などは普通なのに、制服がちょっと浮いている。
施術内容は、自分をやってくれた方は真面目で一生懸命。
疲れが溜まっていたのか痛そうな顔をしたのを見て取って、
時折「大丈夫ですか」と聞いてきてくれた (中国語はわからないけど、たぶん)
でも残念ながらレベルはそんなに高くないな、と言う印象。
右隣の方は背後のテレビが気になるのか、たまにちらりと振り返る。
時折お喋りしたり、たまにあくびが出たりと、やや集中できていない感じ。
入店時間が遅めだったので、一日の疲れが出てきてるのかなと思う反面、
お仕事中は眠くてもあくびは噛み殺さないとね、と思ったりもした。
一番ひどかったのは、もう一人の女性マッサージ師。
私の場所からだと気がつかなかったのだけど、結構手抜きしていたそうだ。
足裏につけなきゃいけない吸い玉は、上手くつけられずそのまま放置。
戻ってきてからは、壁にもたれかかってテレビに釘付けに。
あげく、施術は適当でいい加減。
最後には飲み物のグラスを落として割ってしまい、片づけず放置。
これにはさすがに怒って、先生にお願いしてフロントに苦情を言ってもらった。
日本でもそうだけれど、見た目にお金をかけている店はサービスが悪いという、
典型的な例に遭遇したようだ。
ひどい思いをした彼女が、ホテルに戻ってからぽつりと一言。
「ちゃんとやらないとわかっちゃうんだ、ってことがわかったから、よかった」
そう言ったのを聞いて、自分も身が引き締まる思いがした。
たとえまだ上手くなくても、相手のことを想って心を込めて施術すること。
これが何よりも大切なのだなと、実感した夜だった。
マッサージ、リラックスして気持ちよさそうですね。33期Oさんからのレポートでした。