現在33期に在籍中のK様より北京にて行われた中医学研修の感想文を頂きました!
8月18日(月)
中医学グループ記事担当;K様
北京での中医学の学びも4日目。
いつもの通り沿いの屋台で朝ご飯を取る。定番は豆腐のスープに、野菜饅頭、揚げパンだ。
野菜饅頭は毎日?中に入っている野菜が微妙に違うのも楽しみのひとつ。中国人の人たちと一緒に通りを行きかう人を眺めながら中国の味を楽しむ。お腹が充ちたら、通りを渡って中医学を学ぶ学校へ行く。我々が宿泊しているホテルから歩いて5分の場所だ。
鍼灸推拿組は、午前中は胸・足への推拿を習う。途中、何人もの中国人学生がこちらの部屋にニコニコ顔でやってきては、我々の怪しくおぼつかない手つきを見て、分からない中国語をマシンガンのように語り掛けてきて教えてくれたり、実際に寝ている我々に不意を衝いてのデモンストレーション手技を見せてくれる。教えてくれる先生の優しさはもちろん、学生たちも親切で人懐っこく、気のいい中国人ばかり。(民間レベルでは全く問題ないのに、国や政治レベルになると揉めるのは何故?こんなことなら、政治家いりません!)
昼休みは学院内で中国家庭料理をワイワイと美味しくいただき、その後秦先生の案内で近くの百貨店とスーパーにお買い物に行く。綺麗で気取った感じの百貨店と庶民的なスーパーの雰囲気の大きなギャップが面白い。結局は百貨店では何も買わず、スーパーでたくさんのお買いもの。皆、お茶やお菓子などあれこれお土産に悩んでいるうちに午後の授業時間に間に合わなくなってしまい、30分の遅刻。
午後は我々のグループはお腹・腰・頭への鍼治療を学ぶ。遅刻もあって、短い期間内に沢山の内容を学ぶために終わりきらないからと、結局、終了時刻を過ぎても1時間近く延長して学びを深めた。先生も時間を超過しているのに嫌な顔などちっともしない。お腹、腰などはそれぞれの部位に鍼を14~5本近く、次々と打ち込むことになる。まっさらな腹に鍼が次々に打ち込まれる姿は、何もない原(腹)野に梁(鍼)を持つビルが次々と乱立したような景観になる。鍼が無数に刺さっている壮観さと無抵抗状態の憐れな被体験者の姿に日本人は次々と記念写真撮影。何故か中国人の学生や先生まで、入れ代わり立ち代わりやって来てはその状態の我々をカメラに収めていくのは何故?彼らにしてみれば普段見慣れた授業風景と思うが・・・。
しかし、数日前までは鍼など打ったこともない我々が急に鍼を打つのだから、思いがけないことも起こる。
例えば・・・、
先生「はい、それでは刺した後、鍼を抜いてください。」
生徒→鍼を刺した後、何やらもじもじ。
先生「はい、もう鍼を抜いてくださいね。」
生徒「せ、先生、鍼が抜けません!」
先生「え?どうしたのですか?」
生徒「私、自分の指の外側の皮膚を鍼が貫通したまま患者さんのお腹に刺してしまって、手が動きません・・・」
皆、爆笑!
頭への鍼では頭頂、目の上、おでこ、耳の上、後頭部などに皆で鍼を刺しまくったが、モデルになっていた秦先生が事務局に呼ばれて退室。
しかも頭や顔には多数の鍼がぶらぶらと揺れたまま刺さっている刺串刺し状態で何やら大きな声で話したり、笑ったり、お金のやりとりをしているので、我々は「まるでフランケンシュタインのようだ!」と笑う。
夜は外の高級そうな中華レストランで中医師研修生全員としての最後の食事をする。全員で最後というのは、授業はもう2日残っているが明日には31期生の先輩夫婦2組が先に日本へ帰国してしまうのだ。先生がスッポン料理(河南省に続き2回目)や北京ダック(実際は北京ダックとはちょっと違う料理らしいが、此処は北京だし、ガチョウには変わりない)等を注文してくださり、豪華な皿が次々と運ばれてくる。そんな中、「気功で学び役だったことは自分だけのものに独り占めしないで、自分が社会の為にどのように役にたてるかを考えてください。」などと先生はたくさんの話をして下さる。楽しい食事の時間にも沢山の学びは提供されている。
先輩4人は最後の夜だからと、その後体験勉強にホテル近くの安くて腕の良いと評判の推拿・按摩の店へと向かった。
さて、帰り道。それまで赤信号なのに車は止まらないし、平気で道路を渡る中国人を見て、最初の頃は、「なんてマナーが悪いんだ、危ないなあ!」と呆れていた我々日本人だが、この頃になると「郷に入れば郷に従え」。この日のレストランの帰り道、初めて我々は躊躇することなく赤信号で道路を横断した。この頃になると自分は、多少の危険があったとしても自分たちの自己責任の下、自由に道路を渡る中国人は凄くバイタリティがあって日本人よりよっぽど自由で人間らしい、と感じられるようになってきた。別に積極的に信号無視をしましょうとは思わないが、人生において日本人は必要以上に自分を縛ってしまっているし、時には危険があってもやりたいことをやり通すくらいの強さをもっていいのではないだろうか。我々は充分すぎるほど周りに気を払いすぎて、自分自身ににブレーキをかけてはいないだろうか?もしかしたら、もっともっと自由にシンプルに生きてもいいのかもしれない、と赤信号を渡りながら思った。中国に来なければ赤信号を渡る姿にはいつまでも批判的な感想しか持たなかったに違いない。
今回の旅は研修旅行でありながらも、秦先生は我々日本人が細かなところまで楽しめるように、全行程を通して繊細・緻密にスケジュールを組み(ところが我々日本人が楽しみすぎていろいろなところで時間オーバーし、押せ押せになってしまうこと多々あり)、どの場面でも優しい心配りをいつもしてくださったので、他の旅行会社主催の旅では絶対経験できないような楽しい体験をあちこちでたくさんすることが出来た。秦先生、ありがとうございました!
この後もまだ、旅は続くので、続きは翌日担当の方へバトンを渡します。
楽しい研修旅行だったことがよくうかがえますね。
現地に行ってわかる中国人の国民性、優しさなども今回感じられて良かったとのことでした。